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投資家向け広報(IR支援)

企業の信頼性を高める統合報告の可能性
~統合思考のススメ~

RIDEAL代表 三代 まり子

掲載日:2015年3月19日

03統合報告にはどのようなメリットがあるのか?

ここで、統合報告を行うことの企業のマネジメントにとってのメリットについて確認しましょう。

まず一つ目のメリットは、企業の価値創造活動の「全体像」を長期の時間軸で捉えて適切に伝達できると、長期のリスクマネーを供給してくれる投資家が集まる環境を整えることができるという点です。逆に、企業サイドから長期の価値創造の姿を伝達できないと、投資家サイドは長期のタイムホライズンで資金を供給することが難しくなります。短期の成果に左右されることなく、長期ビジョンに基づく企業経営に関心のある投資家とのマッチングを高めることで、安定した長期投資を実行することが可能になります。

統合報告を行う二つ目のメリットは、組織における部署間の壁を取り払い、社内の風通しをよくすることができるようになるという点です。ある特定の部署が、単独で組織の価値創造の全体像を把握することは不可能です。その為、様々な部署と連携していく必要が生じます。この連携のプロセスを通じて作成された統合報告書により、組織の価値創造の全体像を共有し、互いに尊重しあえる企業文化が生まれた組織も出始めています。

三つ目のメリットは、組織にとって最も重要な資本となる将来の人材を確保できるという点です。どの組織においても、人の採用には莫大なコストと時間が掛かります。統合報告を行う事により、自社の長期的な価値創造の姿を適切に伝達できれば、就職希望者は自身の価値観とマッチするかどうかを判断することができるようになります。就職希望者が組織の長期ビジョン、理念、戦略や強みといった本質的な価値に着目して、就職先を決定することは、組織にとっても採用コストを下げるといった短期的なメリットだけでなく、長期的な価値創造の源泉である人材を確保する上で大きなメリットとなります。

対「投資家」、対「従業員」、対「将来の価値創造を担う人材」といったいずれの場合にも、統合報告を行うことにより「共感」を喚起し双方のマッチングを高めるといったメリットがあると言えます。

Profile

RIDEAL代表 三代 まり子
2011年に独立(http://www.rideal.org)。統合報告コンサルティング、KPI ファシリテーションを行っている。米国公認会計士。
  • 2005年~2010年:新日本有限責任監査法人にて会計監査、調査研究などを担当。知的資本・資産イニシアチブ(WICI)にて日本の製薬、自動車、電子部品産 業のKPI開発に従事。
  • 2011年~2013年:国際統合報告評議会(IIRC)にて、主にテクニカル・マネージャーとして企業報告に関する国際的な開示の枠組み(国際統合報告フレームワーク)およびConnectivity Background Paperの開発に従事。また、リレーションシップ・マネージャーを兼務し、日本国内およびアジアでの統合報告の展開を担当。
  • 2014年4月~現在:早稲田大学商学学術院総合研究所WBS研究センター招聘研究員。

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