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セミナーレポート

企業価値向上とステークホルダーとの対話
―「統合報告」の効果的な活用を通じて―

一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 准教授
野間 幹晴様

野間 幹晴

開催日:2016年8月31日

近年、投資家をはじめ国内外のさまざまなステークホルダーが企業を評価する際に、中長期的視点から持続可能性(サステナビリティ)を重視する傾向が強まっています。こうした関心に応え、自社の企業価値を高めていくために、バンダイナムコホールディングスの社外取締役でもある一橋大学大学院の野間幹晴先生をお招きし、これからの「統合報告」のあり方について講演していただきました。

野間 幹晴様 プロフィール

略歴

一橋大学商学部卒業、一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。同大学院で博士(商学)取得。2002年4月より、横浜市立大学商学部専任講師。2004年10月より、一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授を経て、2007年より現職。この間、2010年より2011年までコロンビア大学ビジネススクール・フルブライド研究員。

学外での活動
2016年6月~現在
バンダイナムコホールディングス社外取締役
2015年~現在
会社役員育成機構監事
2013年~現在
経済産業省「企業報告ラボ」座長
2014年~2015年
経済産業省「ベンチャー投資等に係る制度検討」座長
2013年~2016年
アプリックスIPホールディングス社外監査役
2013年~2014年
経済産業省「持続的成長への競争力とインセンティブ
~企業と投資家の望ましい関係構築~プロジェクト」(伊藤プロジェクト)委員

何故、日本の投資家の多くが短期志向なのか?

日本企業は、設備投資・研究開発費を削減し、営業利益を安定的に確保しようとする性質が諸外国と比べて強く、将来投資への志向が低いと見なされてきました。そのため、投資家は「近視眼的」な日本企業を、「短期的」視点で評価せざるを得なかったのです。

Point: 日本企業は、他の国々と比較して設備投資を削減する傾向が強い
Point: 日本以外では、配当よりも将来の成長を重視する企業が増加

このような「短期志向」な投資家に応じて、日本企業の短期的成長への志向がさらに高まっていきました。こうして、日本企業と投資家との間で負のスパイラルが生じ、中長期的な企業価値向上を目的とした投資が実行されない状況に陥ってしまったのです。

Point: 「対話」と「投資」の2つの次元で負のスパイラルが生じている

投資家・企業間の対話において求められていること

このような状況を脱するためには、企業側から、長期的な企業価値創造のための戦略的なフレームワークを発信することが重要です。企業が起点となり、財務のみならず非財務情報も活用した中長期的なビジョンや戦略を立案・発信し、株主との建設的な対話を行うことで、投資家の長期志向が醸成されていくのです。

そして、企業と投資家の価値共創を円滑に進めるためのコミュニケーションツールとして有効なのが「統合報告」です。何故なら、統合報告を通じて自社の中長期的なビジョンや戦略を発信することにより、企業側は、投資家の長期志向を醸成するとともに、長期的な株主を選別することができるからです。

また、潜在ターゲットに自社の従業員を加えることで、個別最適に陥りがちな彼らの意識を変革し、全体的な企業価値向上のための活動に貢献させることができます。

このように、社内外のさまざまなステークホルダーとの対話をうながし、企業価値を高めるために、統合報告の活用は非常に効果的だと言えるでしょう。

ブレーンセンターからのメッセージ

セミナーでは、野間先生の講演を受けて、ブレーンセンターから「統合報告の優良事例」について調査結果を報告しました。先生のおっしゃる「ビジョンや戦略の遂行に、多様な資本をどのように活用しているのか」という観点から、優れた事例を数社ピックアップして解説させていただきました。

多くの企業様にご参加いただいたけたことからも、統合報告に関する関心の高さ・お悩みの深さを実感するセミナーでした。今後も、IR・CSRコミュニケーションをご支援する立場から、実務ご担当の皆さまのお悩みに応えるセミナーやサービスを提供してまいります。

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