株式会社 ブレーンセンター

統合報告支援

セミナーレポート

ESG情報の発信をめぐる最新動向
―投資家向けESG情報開示と
マルチステークホルダー向けサステナビリティPR―

開催日:2019年3月7日

持続的な成長を実現するために、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の面で優れた企業に投資する「ESG投資」が世界各国で急速に拡大しています。こうしたなかで、「企業はどのようにESGを経営戦略に組み入れていくべきなのか」、そして、「いかにしてサステナビリティ(持続可能性)を実現していくのか」が、重要な経営課題となっています。今回のセミナーでは、英国のESG調査会社EIRISでアナリストとして活躍し、現在は日本総研に在籍する黒田一賢氏をお迎えし、「評価機関がどのような方法で企業を評価しているのか」、「投資家がその評価結果をどのように活用しているのか」など、普段なかなか知ることができない点について、お話しいただきました。また、当社からは、投資家以外にもサステナビリティについてPRしていくことの重要性を解説するとともに、その事例を紹介しました。

意外と知られていないESG投資の基本
投資家というステークホルダーが何を求めているのか

Profile

黒田 一賢様
株式会社 日本総合研究所 創発戦略センター スペシャリスト
日本サステナブル投資フォーラム運営委員 青山学院大学非常勤講師
元EIRIS シニアリサーチアナリスト

顔写真

ESG評価を行っている評価機関がどのように運営されているのか、また彼らの調査方法や評価視点などを解説いただきました。
また、投資家が評価機関から受け取った情報をどのように活用しているのかについてもお話しいただきました。

ESG投資は、1980年代に英国教会が中心となって開始した倫理的投資を嚆矢とします。2000年には英国で年金法が改正され、環境・社会・倫理面に配慮した方針・実績の公表が義務付けられるようになり、それによってESG投資が急速に拡大しました。日本では、1990年代末からESG投資が活発化。そして2015年のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によるPRI(国連責任投資原則)署名によって、海外評価機関による日本企業の調査も加速しています。

         

有力なグローバル評価機関として、英仏系の「Vigeo EIRIS」、欧州系「Sustainalytics」、北米系「MSCI」の3社に加え、各国の市場に精通したローカルな評価機関も多数存在しています。それぞれの評価観点は必ずしも日本の実情に合ったものではないため、日本企業の評価は過少なものとなっていることも少なくありません。

評価方法は大きく3つあります。「公開情報調査」は、企業がWebサイトなどで開示している情報を対象とした調査です。株式投資では、CSR報告書、統合報告書、UNグローバルコンパクトなどの関連イニシアティブのWebサイトなどを参照します。債券投資では、目論見書などを参照することもあります。「質問票調査」は、公開情報調査の補足として行われることが多く、調査対象企業に質問票やアンケートを送り、回答していただく調査です。また、ポジティブ側面に比べて、ネガティブ情報は積極的に開示されにくいことから、「不祥事調査」も行われています。新聞などのメディアから情報を収集するもので、また、海外ではNGOのWebサイトに掲載されている情報も重視されています。同じような不祥事が何度も繰り返される企業に関しては、事後の対応についても調査されます。

評価視点としては、社会や環境に及ぼす影響の大きさを表す「影響度合い」、影響の緩和を宣言する「方針・目標」、その方針・目標を達成するための「取り組み・管理体制」、その結果としての「実績」、そしてこれらが開示されているかどうかという「開示状況」などが基本的なものとなります。

ブレーンセンターおよびクライアント企業からの発表

サステナビリティと聞くと、「社会の」持続可能性を想起される方が多いと思いますが、企業にとって「自社の」持続可能性も含めて、それを維持するためのビジョン・戦略がますます問われているとブレーンセンターでは考えています。

そこで当社からは、サステナビリティPR(サステナビリティ・コミュニケーション)の重要性――自社と社会の持続可能性、つまり「サステナビリティ」のビジョンと戦略を多様なステークホルダーに訴求し、理解をもとめていくための「PR/コミュニケーション」――がなぜ今必要なのかについて紹介しました。

ESG投資の拡大に加え、人口減少によって「人材確保」が重要課題となる中、ミレニアム世代の9割が社会課題に関心を持ち、企業に求めることとして「仕事に社会的意義を感じること」が2位という結果が報告されています。また、デジタル革命の進展が企業の存続に影響を及ぼし、今後は異業種企業が競争相手になってくるとも言われています。こうした背景から、「持続的な成長に必要なビジネスモデル変革」が求められる中、投資家以外のステークホルダー(従業員、顧客、取引先、求職者など)にも、自社と社会のサステナビリティについて理解してもらうことがますます重要になっていくでしょう。こうしたサステナビリティPRについて、顧客企業2社からそれぞれの取り組みについて紹介していただきました。

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