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ブレーンセンターの「視点」
その統合報告書、従業員に読まれていますか?解説動画で、読んでもらう「きっかけ」をつくる

従業員にも読んでもらいたいですよね。自社の統合報告書
この記事を読んでくださっているのは統合報告書の制作を担当する部署の皆さんだと思います。半年以上もかけて、社内のさまざまな部署を巻き込んで作成する統合報告書。自社の過去、現在、未来が一番わかる資料として、従業員にもぜひ読んでもらいたいですよね。ただし、100頁近いボリューム、投資家に向けの専門的な話題が盛りだくさん、となると現業部門の従業員さんにはハードルの高いのも事実です。
そんなお悩みを持つ皆さんへのおすすめなのが「統合報告書の解説動画」です。さまざまなスタイルのものがありますが、概ね以下のような特徴があります。
- 視聴時間は5~10分程度(10分もあると、途中で見る気がなくなりそう・・・)
- 統合報告書の内容を、かいつまんで説明している
- PPTで作成したものを動画化している
- 「統合報告書を読ませたい」という熱意が込められている(と感じる)
成長戦略やESGを従業員自身の業務と紐づけて考えてもらうために
頑張ってつくったんだから、従業員にも読んでもらいたいという皆さんの気持ち以上に、従業員が統合報告書を読む意義はとても大きくなっています。本来、投資家をターゲットにして作成する統合報告書ですが、業績、経営陣のメッセージ、中長期の経営計画、社外取締役からの提言など、従業員にとっても自社の現在地を把握し、成長戦略やESGを自身の業務と紐づけて考えてもらううえで、示唆に富んだ情報が満載です。最近ではパーパスを起点とした統合報告書などもあり、自社の存在意義を再確認するうえでも役立ちます。
他にも、今時のできるビジネスパーソンは、潜在顧客の統合報告書を読んで経営課題や事業戦略を踏まえて提案しているとか、いないとか。とにかく重要な情報が盛りだくさんの統合報告書ですが、従業員に読んでもらうための解説動画をつくる際には、5つのポイントがあります。
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1. 自身の業務に役立つ情報があることを示す
業務が多忙な中、従業員に統合報告書を読んでもらう時間を取ってもらうのは至難の業です。手に取るきっかけづくりのためには、まずは統合報告書の中に役立つ情報があることを示すことが重要です。
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2. あれもこれもと欲張らず、極力短い時間で、視聴できるようにする
重要な情報がたくさん掲載されている統合報告書。書いていることをいろいろ伝えたいと思う気持ちはわかりますが、そこは一度、立ち止まりましょう。興味のない話題であれば、5分以上は見てもらえません。きっかけづくりと割り切って、短時間で視聴できるものにしましょう。
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3. 重要なポイントだけでも記憶に残るようにする
きっかけづくりと割り切ったとしても、せっかく動画を見てもらうのだからという気持ちになるのはごもっともです。その場合、解説するのは重要なポイントに絞りましょう。社長メッセージや成長戦略、社外取締役からの指摘など、従業員にわかってもらいたい箇所をきちんとピックアップすることが大事です。
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4. 他のコミュニケーション策と連動させて効果を最大化させる
解説動画を社内に公開したら目的が達成できるわけではありません。社内報やイントラネット、統合報告書を読む会など、さまざまな理解・浸透策と合わせて、効果が最大化するように設計するのがポイントです。
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5. まずは、スモールスタートでも始めてみる
従業員への理解・浸透は、多くの企業様で課題となっています。とにかく何か始めたいけど、分からないということであれば、当社担当者にご相談ください。
統合思考を社内に浸透させ、成長の力に変える
自社の成長ストーリーを株主・投資家に伝えるための統合報告書。作り手であるIR部門、経営企画部門、サステナビリティ部門の皆さんと一緒に制作する当社もまた、統合報告書をぜひ従業員の皆さんに読んでもらいたいと思っています。それは、多様化する経営課題を踏まえた事業戦略やESG活動を推進していくためには、担い手である従業員がきちんと理解し、自分ごと化し、行動に移してもらうことが大切だと思うからです。統合思考を社内に浸透させ、企業成長の力に変えるために――理解・浸透策についてお悩みの方は、当社担当者までお気軽にご相談ください。