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クライアント企業の情報開示、ブランディングの進化・深化を考える
ブレーンセンターの「視点」
企業の本質を言語化し、かたちにする――
カリモク家具Webリニューアルの全記録カリモク家具Webサイトリニューアルプロジェクト

上段(左より):入井、井上(ブレーンセンター) / 澤井、森(カリモク家具)
下段(左より):宮澤、加藤(カリモク家具) / 武田(ブレーンセンター)
情報量は多いのに、企業の本質が伝わらない。
そんな課題を解決し、社内外から高い評価を得たWebリニューアルプロジェクト。
国産木製家具のトップ企業・カリモク家具が、15カ月かけて
「木とつくる幸せな暮らし」というコンセプトをどう形にしたのか――
プロジェクトメンバーが語る、共創の全記録。
プロジェクト概要
- 期間
- 2024年3月〜2025年6月(15カ月)
要件定義・コンサルフェーズ:前半7カ月 / 制作フェーズ:後半7カ月 - プロジェクト体制
- カリモク家具:
加藤 英一郎様(取締役 プロジェクト責任者)
宮澤 光治様(営業推進部 デジタルコミュニケーション課 プロジェクトマネジメント担当)
森 敦子様(営業推進部 デジタルコミュニケーション課 プロジェクト推進コーディネーター)
澤井 敏幸様(営業推進部 デジタルコミュニケーション課 ECサイト運営管理担当) - ブレーンセンター:
井上 武(プロデューサー)
武田 仁(プランナー コンセプト開発主導/本対談ファシリテーター)
中井 明世(ディレクター)
入井 佐理(アシスタントディレクター)
澤田 彰吾(テクニカルディレクター)
北川 めぐみ(グラフィックデザイナー)
山田 康仁(UX / UIデザイナー) - 新サイト
- https://www.karimoku.com/
1. 「複雑怪奇」なサイトからの脱却――リニューアルの背景
武田(ブレーンセンター / 以下BC): 2024年3月、コンペ参加のご相談をいただいた際、カリモク家具様の社内ではどのような課題意識がありましたか。
加藤(カリモク家具 / 以下K): 以前のサイトは「この情報もあったほうがいい」と積み木のように積み上げた結果、知りたい情報にたどり着けない迷路のような「複雑怪奇」なサイトになっていました。知りたい情報にスムーズにたどり着けること、そして何よりも、私たちのこだわり――「木とつくる幸せな暮らし」という価値観をしっかりと伝えることを目指していました。
森(K): 以前のサイトは情報量が多すぎて、お客様も当社の関係者も迷子になる。会社としてとてもいい情報を持っているのに、それが紹介しきれていない。そのもったいなさを強く感じていました。
宮澤(K): Webサイトのリニューアル以前に、「企業としてのこだわり」をしっかりと伝えたいという強い想いがありました。サイトに訪れる方々に、当社が伝えたいことをきちんと形にできるパートナーを探していました。結果、企業情報の整理が得意で、コーポレートサイトの制作実績で素敵なサイトを拝見していたブレーンセンターさんにお願いすることになりました。


2. 言語化されていなかった企業の本質を掘り起こす
武田(BC): 私たちにとって、このプロジェクトで最も重要だったのは、コンサルティングフェーズでの経営陣やキーパーソンの方々へのヒアリングでした。「カリモク家具の本質とは何か」を深く理解する時間が、提案の品質を決定づけたと考えています。愛知県刈谷市にルーツをもつ木工加工会社としての歴史を紐解く中で、「木へのまなざし」と「人へのまなざし」を大切にしていること、そして「木工加工技術」へのこだわりこそが“カリモクらしさ"の根源だということが見えてきました。そこから「木とつくる幸せな暮らし」というコンセプトを的確にとらえることができたと思います。
加藤(K): 私自身、折に触れてカリモク家具の魅力を感じる瞬間があります。多くの社員も同じだと思います。ただ、これまでそうした魅力をきちんと言葉にして発信して、共有してこなかった。結果として、魅力が希薄化・風化してしまっているような気がしていて、もったいないと思っていました。
今回、「木へのまなざし」や「人へのまなざし」、そして「木工加工技術」へのこだわりをしっかりと言葉にして伝えることができたことを、とても嬉しく思っています。
井上(BC): いち消費者としては商品である家具しか見えなかったわけですが、その背景にある価値観やこだわりを知ってから商品を改めて見ることで、カリモク家具の品質を理解することができました。ショールームを見学させていただいた後、家族に「カリモクの家具、欲しいな」と話したほどです。良いプロダクトとその背景にある想いを結ぶストーリーを伝えることで、ブランドの価値はもっと高まると実感しました。
中井(BC): 私は愛知県の出身で、幼い頃からカリモク家具は“地元の会社”でした。今回この案件に携わることができて、身近にあったカリモク家具のことを深く知ることができ、本当によかったと感じています。木工家具の歴史・文化・伝統のない愛知県刈谷市という土地から始まった貴社が、国産木製家具のトップ企業にまでその存在感を高めることができた理由を、経営陣をはじめカリモク家具の皆様のお話を聞く中でよく理解することができました。
宮澤(K): コンサルティングフェーズでのヒアリングに携わる過程で、自分も知らなかったカリモク家具に出会うことができました。それは新鮮な発見でした。リニューアルしたサイトを見た社員たちからも、「カリモク家具らしいサイトですね」「改めてカリモク家具を知ることができました」とポジティブな反応が寄せられています。社員たちも堂々と「これがうちのサイトです」と社外に発信してくれています。


コンサルティング~制作までの流れ

3. 「素材の良さ」を邪魔しないデザイン
武田(BC): 「100歳の木を使うなら、その年輪にふさわしい家具をつくりたい」という貴社の価値観に触れ、この世界観を表現しなければご期待に応えられないと感じました。北川さん、デザインで特に工夫したことは何ですか。
北川(BC): 重視したのは「写真」ですね。「木へのまなざし」や「人へのまなざし」、そして「木工加工技術」へのこだわりを表現するにあたり、写真の力はとても大きかった。カリモク家具社内に素晴らしい写真素材がアーカイブされていたことは幸運でした。木や森の写真、家具づくりのプロセスの写真など、「これも使いたい、あれも使いたい」という感じでしたね。デザインするにあたっては、こうした写真素材の良さを邪魔しないこと、写真に写っている被写体の力がフルに生きるようなデザインに努めました。カリモクの家具の美しさ、真摯に家具づくりに取り組む職人さんの姿、雄大な木や森の佇まい―愛おしくなるような写真がたくさんあって、デザインするのがとても楽しかったです。

北川(BC):あと余談ですが、私の実家にはカリモク家具のテーブル・ソファセットがあるんです。私が生まれる前から我が家にあったそうですが、両親が結婚当初に家具屋に勧められて購入したと聞きました。購入してからかれこれ45年近く経過している家具ですが、いまだしっかり「現役」です。家族との記憶・思い出の中にその家具はしっかり存在していますね。子供の頃の私はそのソファをトランポリン代わりにしてその上で飛び跳ねていました。今は、私の子供たちが、当時の私のようにソファの上で、楽しそうに飛び跳ねています。そういう家族の思い出とか、暮らしの記憶とかも、伝わるようにデザインしたいな、ずっと思いながら取り組んでいました。


武田(BC): ええ話や。泣きそうになりますね。北川さんとともにデザインに取り組んだ山田さんは、UI・UX面でどのような点を意識されましたか。
山田(BC): 私も魅力的な写真やビジュアルを最大限活かせるように、それを邪魔しないことを念頭に置いてUIづくりに努めました。一方で、知りたい情報に円滑にたどり着ける使いやすいサイトというご要望もいただいていたので、必要なアクセシビリティはきちんと確保した上で、いい塩梅で邪魔せず主張しすぎず、だけど使いやすいというバランスを模索しました。企画の段階からデザイナーである私たちも参画して、どんなサイトにしようかプランナー・ディレクターとともにカリモク家具の皆さんと議論しながらデザインできたことは、とても良い経験になりました。
宮澤(K): デザイン面も、とても満足しています。「木とつくる幸せな暮らし」というカリモク家具らしさやこだわりを表現することが大きなテーマでしたが、成功したと感じています。弊社社員が思っているカリモク家具らしさを、とても上手に視覚化してくださいました。
加藤(K): 社員の顔が見えるサイトになったことも、とてもよかったと思っています。特に「品質へのこだわり」を伝えるコンテンツで、家具づくりに真摯に取り組むカリモク家具社員の姿や表情をたくさん掲載できたことは素晴らしかったです。
4. 信頼で結ばれたプロジェクト・プロセス管理
武田(BC): 制作フェーズは納期もあり、時間との闘いという側面もありました。特にカリモク家具側のプロジェクト管理と社内調整を担われた宮澤さん・森さんはご苦労も少なくなかったと思いますが、私たちの制作進行管理はいかがでしたか。
宮澤(K): 要件定義・コンサルティングフェーズからご支援いただき、目指すべき方向性を共有できていたブレーンセンターさんが、納期までのプロセスの全体像を見渡し、逆算して工程管理してくださったことには安心感がありました。実務を担っている中で「わからなくなること、迷うこと」も出てくるのですが、「こういうやり方であれば上手くいきますよ」と細やかに提案いただき、大変助かりました。
森(K): 特にスケジュール管理は難しく、いつも課題感を持っていました。ある工程が遅れることで他の工程にも影響が出ます。基本的なことですが、スケジュールをきちんと細かく作っていただけること、それに基づきリマインドしていただけること、変更があればアップデートしていただけることは、私たちとしてはとてもありがたいことでした。スケジュール管理での安心感があったので、タイトな納期の中でも「ブレーンセンターさんの提案通りに実践できれば大丈夫」と思いながら取り組みました。
たとえば、社内調整が難しいときに、「相談してみようかな」と思えたことは本当にありがたかったです。皆さんなら「相談したら何かよい打ち手を考えてくださるんじゃないか」と思えました。皆さんとディスカッションしながら進められているような感覚は、大きな安心感につながっていました。
また、コンサルティング・要件定義のフェーズから、カリモク家具のことをとても勉強してくださっていることが伝わってきました。ともすれば、クライアントの要望を鵜呑みにしてしまいがちな中で、ブレーンセンターの皆さんは、様々なことに対して真摯に考えて検討してくださいました。常に専門家としての視点を持ち、建設的な議論を通じて、私たちの気づかない可能性を引き出してくださったと感じています。社内の視点では見えないことを、外部の視点できちんと見て意見・提案していただけるパートナーを望んでいた私たちにとっては、本当にありがたかったです。
井上(BC): カリモク家具の皆様に喜んでいただけたことは、プロデューサーとして大変ありがたい限りです。私たちとしても「対話を重ねながらモノづくりに取り組めたこと」がプロジェクトの大きな成功要因だったと捉えています。途中、難しくシビアな局面もありましたが、目指すべき目標を共有できていたことが信頼の礎となり、プロジェクトに安定感が生まれたと考えています。
澤田(BC): 今回のリニューアル案件は、デザイン、企画、ボリューム、スケジュールのどれをとっても決して簡単ではありませんでした。それでも、非常にやりやすい仕事だったと今振り返って感じています。その理由は、私たちブレーンセンター側のチームメンバーはもちろん、カリモク家具様側とも目指すゴールをしっかり共有できていたからです。チーム全体が同じ方向を向いて進められて、とても良い経験をさせていただきました。
入井(BC): 私は制作フェーズの途中から参加したのですが、チーム全体で方向性が共有されていた結果、信頼関係が築かれていたのでスムーズに入ることができました。編集を担当させていただいた採用情報では、エントリー数の増加といった成果が出たと伺っており、大きな手応えを感じています。


5. カリモク家具社内から、そして社外からの高い評価と、今後の展開
武田(BC): 完成したサイトに対する評価をお伺いできますか。
森(K): 満足度としてはとても高いです。点数をつけるなら「90点以上」です。各サイト間の連携や活用など、取り組みたい課題もありますし、まだまだ道半ばですが、第一フェーズとしてはほぼ満点に近いと思っています。
澤井(K): 今回のリニューアルを経て、ようやくカリモク家具のブランドを正しく訴求できる基盤が整い、スタートラインに立てたと実感しています。私はEC担当として、お客様が求める情報をいかに魅力的に伝えるかを日々模索していますが、今回リニューアルしたコーポレートサイトには、その核となる「木とつくる幸せな暮らし」という価値観が凝縮されています。
この魅力をECサイトとシームレスにつなげることで、単なる家具メーカーの枠を超え、「木製品全般を手がけるメーカー」として多くのファンを作っていくこと。それがこれからの私の大きな目標です。


加藤(K): カリモク家具の本質は「木へのまなざし」「人へのまなざし」そして「木工加工技術へのこだわり」であり、それがカリモク家具の「品質」を創り出していると捉えています。そしてその出口は家具だけに限らないと、私たちは考えています。当社は木工家具メーカーです。基幹ビジネスが家具であることはこれからも変わりません。その一方で、私たちは家具以外のビジネスにも挑戦していきたいと考えています。口で言うほど簡単なことではありませんが、当社独自の木への知見や木工加工技術によって新しい価値を創造し、人々にお届けすることができると考えています。こうした新しい挑戦もサイトを通じて広く社会に発信していきたいですね。
武田(BC): ありがとうございます。今回のプロジェクトを通じて、弊社の中にもカリモク家具ファンがかなり増えました。カリモク家具の魅力がより多くの方に伝わるよう、継続的なコミュニケーションとご支援ができればと考えています。納品して終わりではなく、今後も引き続き対話を積み重ねさせていただければ幸いです。
このプロジェクトから見える、ブレーンセンターの3つの強み
1. 企業の本質を言語化するコンサルティング力
経営陣への徹底的なヒアリングを通じて、企業文化として根付いていながら言語化されていなかった価値観を掘り起こし、「木とつくる幸せな暮らし」というコンセプトに昇華。
具体的なアプローチ
- 経営陣・キーパーソンへの個別インタビュー
- 企業の歴史・文化を深く堀り下げてリサーチ
- ブランドコンセプトの開発と言語化
- 社内での共有・浸透支援
2. コンサルティングから制作まで一貫したプロジェクト設計
コンサルティングフェーズから制作フェーズまで、目指すべきゴールを見失わない一貫したプロジェクト管理。複雑な案件でも、明確な工程管理と柔軟な対応で安心感を提供。
具体的なアプローチ
- 詳細なスケジュール策定と定期的なアップデート
- 課題発生時の迅速な打ち手の提案
- 社内調整を見据えた進行管理
- 目標共有による建設的なディスカッション
3. デザイナーも初期から参画する統合的なチーム体制
企画段階からデザイナーが参加することで、コンセプトを深く理解した上でのビジュアル表現を実現。プランナー、ディレクター、デザイナーが一体となった共創体制。
具体的なアプローチ
- コンサルティングフェーズからのデザイナー参画
- クライアントの価値観を視覚化するデザインプロセス
- UI/UXとグラフィックの統合的な設計
- 素材の良さを活かす引き算のデザイン
こんな課題をお持ちの企業様へ
- 情報が多すぎて整理できない、ユーザーが迷子になる
- 企業の本質や価値観がサイトで伝わっていない
- 社内に知見が不足しており、プロジェクトを主導してほしい
- 経営陣の想いを言語化し、ブランドとして発信したい
ブレーンセンターは、単なるWeb制作会社ではありません。企業の本質を見つめ直し、それをデジタル体験として昇華させる――
戦略コンサルティングから制作まで一貫して伴走するパートナーです。
カリモク家具様のように、15カ月という時間をかけて「企業が本当に伝えたいこと」を形にするプロジェクトを、私たちは大切にしています。情報の整理だけでなく、企業文化の言語化、ブランドコンセプトの開発、そしてそれを体現するデザインまで――すべてのフェーズで対話を重ね、共に創り上げていきます。
プロジェクトの過程では、難しい局面もあります。しかし、目指すゴールを共有し、建設的なディスカッションを重ねることで、クライアント企業の皆様が「90点以上」と評価してくださるような成果を実現してきました。
あなたの企業の本質を、私たちと一緒に具現化しませんか。



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