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投資家向け広報(IR支援) サステナビリティ・CSR広報

コーポレートガバナンス・コード改訂とESG要因
~取締役会に求められるスキルマトリックス~

株式会社 日本総合研究所
創発戦略センター スペシャリスト
日本サステナブル投資フォーラム運営委員
青山学院大学非常勤講師
元EIRIS シニアリサーチアナリスト

黒田 一賢

掲載日:2018年10月2日

03多様なステークホルダーとの対話

社内体制の整備は既存の活動にESG要因の意識づけをすることで可能となる。例えば経営理念及び行動準則においてESG要因を統合することである。経営理念において顧客を中心としてステークホルダーに言及することは一般的であるものの、それを役職員向けの規則である行動準則において国内外の事業活動の第一線にまで広く浸透させることを求めていることが重要である。昨年から今年にかけて企業としてはESGへの取組が優れていると評価されている企業においても、現場ではその精神が浸透していないことを露呈した不祥事事案が相次いだ。大企業を中心にESG要因を盛り込んだ行動準則を掲げる企業が多いものの、それが日常業務でも考慮されて初めて意味を持つことを再認識すべきであろう。また行動準則においてESG要因を統合するということは、法令順守は当然のこととして、法令となっていなくてもステークホルダーに必要な配慮を実行に移すべきということである。言い換えると、法令順守のように企業に求められる行動は一定ではなく、社会情勢に応じて自主的に行動を改善することが求められるということである。すなわち法令順守において重視すべき規制当局のみならず、その他のステークホルダーとのコミュニケーションも欠かさず、彼らのニーズを把握する必要があるということである。

当然ニーズは多岐に渡ることが容易に想定でき、社内に異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観を保持することが重要となる。社内に存在する多様性は多様なステークホルダーのニーズの把握を容易にし、新たな収益機会・リスクの発掘及びその利用・対処に有益というわけである。特定の顧客属性への対応により独自性の高い新規市場の開拓が可能であり、例えば女性やシニア、文化や宗教、個人的な信条等に注目した製品・サービスがそれに当たる。その実現に当たっては社内に多様な潜在顧客群が存在することを把握し、自社の既存資源と照らし合わせて製品・サービス化していく能力が必要となる。それを察知できるようにするためには多様な人材を社内に保持する必要があり、そのためには1)時間、2)場所、3)金銭等の面での制約緩和が必要である。伝統的な労働慣行からの変容は従業員のニーズへの対応の一例と言える。

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